20231208

 雑踏の中に取り残されたように独り。

 カウンセリングの日。今月いっぱいでカウンセリングを終わらせることにした。カウンセリングを終わらせたのは、大丈夫になったからではない。復学のために半ば強制的にピリオドを打ったかたちだ。

 ほとんど観念的な話を重ねていたここ3か月とはうって変わって、すっかり今までのカウンセリングについてまとめている。どんな経緯でカウンセリングに来たのか、実際受けるまでにどんな葛藤があったのか、受けてみてどうだったのか。カウンセラーの質問に頭を悩ませながら、ひとつひとつ答えていく。

 カウンセリングは、休学期間中に唯一継続できたことだった。他のことは体調の波にのまれ、続いたり続かなかったり。これだけしか続けられなかった、これだけは続けられた、言い方はいろいろあれど、とにかくカウンセリングだけは続けてきた。

 「カウンセリングを継続できたのは、貴方のお力です。」カウンセラーは続ける。「続けるお力があるからこそ、学校を休むというのは辛いことだったのでしょうね。」

 休むこと。一見簡単なようで、辛いことだった。無為に時が流れる毎日は自分を苛めるようだった。無力感や罪悪感に押しつぶされる毎日だった。もう何も成し遂げることは出来ないのではないかと本気で思う毎日だった。

 休むことは孤独だった。物理的にも精神的にも孤立して、独り言が体の中にこだまする日々。もうこんな生活はごめんだった。

 「休むこと、簡単なようで難しいし、辛かったです。」

 休んでいる以上、辛いと言ってはいけないような気がしていた。それが雪解けていくように言葉に出来たとき、涙が溢れた。もうこんな生活辞めたいよ。